1.組織と運営              

  東海大学さい帯血バンクは、東海大学医学部内の研究プロジェクトとして1996年4月に設立したものです。
  臍帯血の採取、分離、保存、HLA検査、一般検査、照合検索、提供などの業務を責任ある体制のもと、 迅速で質の高い臍帯血を提供出来るバンクを目指して運営されています。1999年4月から国の補助と指導の下、公的さい帯血バンクネットワークの一員となり事業に参画することになりました。当バンクは大学医学部と付属病院を基盤とした組織であるため人員、財政、技術などの面でコンパクトに効率よく運営出来る事が大きな特徴です。事務局、細胞処理部門、検査部門などが同一施設内にあり、採取病院も近接しています。しかし、財政的には母体である東海大学に多くを依存しており、大学の理解によりこれまで事業を継続してきました。大学病院内に設置されたさい帯血バンクという特徴を活かして、基礎的な研究から導き出された成果を臨床に橋渡しを行う大きな役目があると考えています。

(1)運営委員会(委員長:加藤俊一)

  最高意志決定機関であり、隔月に開催される運営委員会において事業全般について協議し決定します。学内・学外(行政・ボランティア・法律関係者など)の委員によって構成されています。

(2)適応審査委員会(委員長:吉場史郎)

  複数の専門委員により、登録された患者さんの移植適応が判定されます。移植の適応が決定されると事務局によりコーディネートが開始され臍帯血の提供までが手順に従い進められます。なお、この委員会には学内の移植担当医師は含まれていません。

(3)評価委員会(委員長:矢部普正)

  移植後の経過報告書に基づき、移植の経過と結果について医学的に評価し、臍帯血移植をより安全に有効に行えるよう方法の改善などについて検討し報告いたします。

(4)採取部会(部会長:岩崎克彦)

  採取病院の採取責任医により構成され、妊婦さん方へ提供お願いの説明、採取、保管、個人情報の管理など、臍帯血がバンクへ届けられる迄の業務について検討いたします。

(5)広報部会(部会長:渡辺孝一)

  地域ボランティア、自治体から参加の委員を含み、さい帯血バンクの活動を社会に広報し、とくに提供して下さった皆様にはアンケートに合わせバンクの状況をお知らしたり、地元放送局よりバンクの紹介番組などを放送しました。

(6)事務局(責任者:佐藤薫)

  日常の業務は医師、技術職員、事務職員が力を合わせ担当いたします。移植のコーディネート、提供者へのアンケート調査、各種委員会の準備、事務連絡、移植経過報告書の回収、個人情報の管理、データベースの作成、ホームページの更新など日夜奮闘しております。

(7)監査体勢(監事:渡辺孝一、渡邊茂樹)

  バンク組織の運営に直接関与しない外部のボランティアと医師により毎年度末に業務の正当性ならびに会計監査を受け、バンク運営会議において報告、承認を受けている。